②「学んでみよう(国試対策)」-2019年5月号

②「学んでみよう(国試対策)」-2019年5月号

今月は臨床系科目の【正答率70%以上の問題】を出題します

問題内訳
5月分は・リハビリテーション医学3問(№1、2、3)・外科学概論3問(№4、5、6)計6問となります。(協力 ジャパン国試合格)

問題1 脳性麻痺の早期療育について誤っているのはどれか。
1. 開始する時期が早いほど学習効果が高い。
2. 異常運動・姿勢が身につく前に正常運動パターンを学習させる。
3. 診断が確定されてから開始される。
4. 運動発達障害による二次的な精神発達障害を予防する。

問題2 脳卒中発症初期からみられるのはどれか。
1. 異所性骨化
2. 肩関節亜脱臼
3. 嚥下障害
4. 心肺機能低下

問題3 聴理解、書字、読解力は比較的良好で発話はおおむねなめらかで復唱も可能だが、
物の名前を思い出しにくく、遠まわしな言い方が多いため話の内容が貧困化している際に
疑われるのはどれか。

1. ウェルニッケ失語
2. 健忘失語
3. 伝導失語
4. ブローカ失語

問題4 外出血に対する止血の基本はどれか。
1. 直接圧迫法
2. 指圧法
3. 緊縛法
4. 結紮法

問題5 イヌ、ネコによる咬創に対する処置で誤っているのはどれか。
1. 生理的食塩水による洗浄とデブリドマンを行う。
2. 迅速に一次縫合を行う。
3. トキソイドを投与する。
4. 抗生物質を投与する。

問題6 主に下血をきたす疾患はどれか。
1. 食道静脈瘤破裂
2. マロリー・ワイス症候群
3. 胃 癌
4. 潰瘍性大腸炎


回答 解説 コメント

問題1 
【解答】 3 【リハビリテーション医学】p.164
脳性麻痺では脳の可塑性に期待して、早期から療育を開始する。周産期に危険因子があり、
運動発達の遅れや異常姿勢が明らかな場合などは早期に確定的な診断がつくが、
確定診断に至るまでに期間を要することもあり、脳性麻痺が疑われた時点でなるべく早く療育を開始するのがよい。
※正答率70%(受験生1,892名)

問題2 
【解答】 3 【リハビリテーション医学】p.150
嚥下障害は、片麻痺、痙性、失語症などとともに脳卒中発症とほぼ同時に生じる。
異所性骨化、肩関節亜脱臼、心肺機能低下などは発症後に時間の経過とともに出現する。
※正答率72%(受験生1,892名)

問題3
【解答】 2 【リハビリテーション医学】p.141
ウェルニッケ失語では聴理解が障害され、伝導失語では復唱が障害され、ブローカ失語では
自発語が非流暢となるためいずれも当てはまらない。健忘失語は失名詞失語とも呼ばれ、
物の名前が出てこない(喚語困難)ため「あれ」、「それ」といった代名詞が多くなったり、
回りくどい言い方になる。
※正答率73%(受験生1,892名)

問題4 
【解答】 1 【外科学概論】p.110-111
外出血に対する止血の基本は直接圧迫法である。
圧迫止血法のうち、手指、ガーゼや弾性包帯、バルーンカテーテルなどを用いて出血部位を
直接圧迫したり、ガーゼ等によるタンポン法を行ったりして止血を行うものを指す。
圧迫に際しては出血部位を心臓よりできるだけ高い位置に置くとより効果がある。
直接圧迫止血法は一時的止血術に分類されるが、直接圧迫のみで十分な止血を得られる場合も多い。特殊な例では、鼻出血におけるベロックタンポンを用いる方法、食道静脈瘤破裂による出血に対してのセングスターケン-ブレークモア管を用いる圧迫止血の場合や肝破裂や骨盤骨折による内出血に対してのパッキング法による圧迫止血術も広い意味での直接圧迫止血法に含まれる。
※正答率82%(受験生1,892名)

問題5 
【解答】 2 【外科学概論】p.32
動物咬傷(創)はペットの普及に伴い増加している。全世界でイヌによる咬傷は毎年数千万件に達し、公衆衛生上の問題となっている。動物咬傷の多くがイヌ(60〜90%)によるもので、
次いでネコ(6〜20%)、ヒト(2〜3%)、齧歯類(2〜3%)と続く。
処置は、生理的食塩水による十分な洗浄とデブリドマンが基本となる。感染の危険性が高いため、基本的に一次縫合は行わない。開放創とし、3~5日目に感染が生じていないことを確認後、創閉鎖を行う。破傷風予防と創傷の二次感染の予防のため、トキソイドと抗生物質を投与する。
※正答率89%(受験生1,892名)

問題6 
【解答】 4 【外科学概論】p.189-190吐血とは血液を嘔吐することであり、主に食道、胃、十二指腸からの出血に起因する。下血とは、血液が肛門から排出されることをいう。性状の違いから、黒色便(メレナ、タール便)と血便(便に血液が付着あるいは混じる)に分類される。
上部消化管出血では黒色便が多いのに対し、下部消化管出血では血便例が多い。ただし、上部消化管出血でも大量出血の場合はこの限りではない。
潰瘍性大腸炎は比較的若年で発症する原因不明の難治性腸炎で、下痢、血便がみられる。
※正答率90%(受験生1,892名)

 

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