④「学んでみよう(国試対策)」-2019年7月号

④「学んでみよう(国試対策)」-2019年7月号

今月は【柔道整復学理論】を10問、出題させていただきます

7月分 柔道整復学理論 10問(ジャパン国試合格)

問題1 骨折の治癒過程で正しいのはどれか。
1. プレート固定では軟骨内骨化が阻害される。
2. 再造形期に血腫が形成される。
3. 髄内釘固定では結合組織内骨化が阻害される。
4. 仮骨硬化期では、炎症反応が消退する。

問題2 月状骨脱臼で正しいのはどれか。
1. 手関節過度屈曲により発生する。
2. 特に第2指、第3指末節部のシビレ感が出現する。
3. 手根部の横径が増大する。
4. 月状骨と橈骨の関節の関係は正常である。

問題3 上腕骨近位端部骨折で正しいのはどれか。
1. 外科頸外転型骨折では肩関節外転位で固定する。
2. 外科頸内転型骨折は肩峰と大結節が近接する。
3. 大結節単独骨折の骨片転位には三角筋が関与する。
4. 小結節単独骨折は敬礼位固定が原則である。

問題4 閉口位で弾発性固定するのはどれか。
1. 両側性前方脱臼
2. 側方脱臼
3. 後方脱臼
4. 片側性前方脱臼

問題5 上腕骨骨幹部骨折で正しいのはどれか。2つ選べ。
1. 直達外力では螺旋状骨折を呈することが多い。
2. 三角筋付着部より遠位での骨折では遠位骨片が外上方へ転位する。
3. 下垂手を呈することがある。
4. 三角筋付着部より近位での骨折では近位骨片の転位に大胸筋が関与する。

問題6 骨片骨折はどれか。
1. パンチ(punch)骨折
2. ベネット(Bennett)骨折
3. 逆ベネット(Bennett)骨折
4. ローランド(Rolando)骨折

問題7 右図の骨折はどれか。
1. 複合骨折
2. 二重骨折
3. 多発骨折
4. 重複骨折

問題8 肉離れで正しいのはどれか。2つ選べ。
1. 遠心性収縮で発症しやすい。
2. 二関節筋で発症しやすい。
3. Ⅰ度損傷では患部に陥凹を認める。
4. MRIでは損傷程度が確認できない。

問題9 靭帯損傷で正しいのはどれか。2つ選べ。
1. 急性期では不安定性を把握しやすい。
2. Ⅱ度損傷では不安定性を認めない。
3. Ⅱ度以上で関節機能障害を後遺しやすい。
4. Ⅲ度損傷は観血療法が行われることが多い。

問題10 筋損傷の初期処置で最も気をつけなければならないのはどれか。
1. 循環障害の有無
2. 擦過傷の存在
3. 発赤の有無
4. 機能障害の有無


回答 解説 コメント

問題1 
【解答】 4 【柔理】p.42-44
1.プレート固定では結合組織内骨化が阻害される。結合組織内骨化は、骨芽細胞がコラーゲン線維を産生し、そこに石灰塩が沈着する骨化である。軟骨内骨化は、軟骨組織が骨へと置換される骨化である。
修復過程は、血腫形成→結合組織内骨化→軟骨内骨化→リモデリング期である。
2.炎症期に血腫が形成される。
3.髄内釘固定では結合組織内骨化は阻害されない。
※正答率80%(受験生1,892名)

問題2 
【解答】 2 【柔理】p.278
1.月状骨脱臼は手関節の過度伸展(背屈)により発生する。
2.脱臼した月状骨により屈筋腱の下に存在する正中神経を圧迫することが多く、正中神経領域のシビレ感や感覚異常が出現する。
3.月状骨脱臼では手根部の前後径が増大する。
4.月状骨脱臼は月状骨のみ掌側に脱臼するので橈骨との関節の関係は異常位置になる。一方、月状骨周囲脱臼は月状骨と橈骨の関節の関係は正常である。
※正答率68%(受験生1,892名)

問題3
【解答】 2 【柔理】p.195-199
1.上腕骨外科頸骨折では、外転型骨折は内転位固定、内転型骨折は外転位固定を行う。
2.外転型骨折では肩峰と大結節は離開し、内転型骨折では近接する。
3.大結節単独骨折の骨片転位には大結節に付着する筋(主に棘上筋)が関与する。
4.小結節単独骨折では、付着筋である肩甲下筋を弛緩させるため肩関節下垂内旋位で固定する。敬礼位固定は大結節単独骨折で行う。
※正答率83%(受験生1,892名)

問題4 
【解答】 3 【柔理】p.135-139
1.両側性前方脱臼は開口位で弾発性固定し、閉口不能となる。
2.側方脱臼は開口位で弾発性固定し、咬合不能となる。
3.後方脱臼は閉口位で弾発性固定し、開口及び咬合が不能となる。
4.片側性前方脱臼は両側性ほど顕著ではないが半開口位で弾発性固定し、多少の開閉動作は可能となる。
※正答率81%(受験生1,892名)

問題5 
【解答】 3,4 【柔理】p.199-204
1.直達外力による骨折は横骨折や粉砕骨折、軽度の斜骨折を呈する。
2.三角筋付着部より遠位での骨折では上腕二頭筋や上腕三頭筋の牽引力により遠位骨片が後上方へ転位する。
3.橈骨神経は上腕骨の後面を上内方から下外方にかけて螺旋状に走行するため上腕骨骨幹部骨折により損傷することがある。橈骨神経を損傷した場合の症状の中に下垂手が挙げられる。
4.三角筋付着部より近位での骨折では近位骨片の転位に肩関節の内転筋群である大胸筋や大円筋、広背筋が関与する。
※正答率82%(受験生1,892名)

問題6 
【解答】 4 【柔理】p.27,246-252
骨片骨折とはT・Y・V字型の複数の骨片を有する骨折を指し、粉砕型の骨折も含まれる。
1.パンチ骨折はボクサー骨折とも呼ばれる中手骨頸部の骨折で背側凸変形を呈する単数骨折である。
2.ベネット骨折は第1中手骨基底部の掌尺側関節内に三角形の近位骨片を認める脱臼骨折である。
3.逆ベネット骨折は第5中手骨基底部の橈側関節内に三角形の近位骨片を認め、亜脱臼を呈する骨折である。
4.ローランド骨折はベネット骨折に認められる掌尺側の三角骨片に加えて背側にも骨片を認め、T・Y・V字型の関節内骨折で骨片骨折である。
※正答率65%(受験生1,892名)

問題7 
【解答】 3 【柔理】p.26-27
1.複合骨折は種々の骨折線が混在したもので、T字、V字、Y字状骨折や粉砕骨折などが該当する。
2.二重骨折は一本の骨が2か所で骨折したものである。
3.多発骨折は2本以上の骨が同時に骨折したものであり、図の骨折は多発骨折に該当する。
4.重複骨折は一本の骨が3か所以上で骨折したものである。
※正答率86%(受験生1,892名)

問題8 
【解答】 1,2 【柔理】p.68-72
1.肉離れは、強烈な遠心性収縮で生じやすい。
2.肉離れは、単関節より二関節筋での発症が多い。
3.筋損傷は、第Ⅰ~Ⅲ度に分類される。
Ⅰ度損傷は、顕微鏡的損傷で筋間損傷が主なものである。自動あるいは他動運動の際に損傷部に不快感や疼痛がある。
Ⅱ度損傷は、部分断裂があり局所に陥凹を確認できるものもある。
Ⅲ度損傷は、完全断裂で、陥凹があり強い圧痛が認められる。
4.MRIで筋の損傷程度が確認できる。
※正答率84%(受験生1,892名)

問題9 
【解答】 3,4 【柔理】p.53-54
1.靭帯損傷の新鮮例では筋弛緩が十分に得られにくいので徒手検査による関節不安定性を正しく把握することは困難なこともある。
2.Ⅱ度損傷は靭帯の部分断裂であり、不安定性が軽度から中等度にみられ、機能障害も認める。
3.Ⅱ度以上では的確な施術を行っても関節の動揺性、アライメント異常、関節変形などの関節機能障害を後遺することがある。
4.Ⅲ度損傷では、多くは観血療法を選択されることが多い。
※正答率59%(受験生1,892名)

問題10 
【解答】 1 【柔理】p.96
筋損傷でもっとも気をつけなければならないのはコンパートメント症候群である。よって、循環障害の有無や腫脹の状態を確認することが重要である。
※正答率84%(受験生1,892名)

 

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