⑤「学んでみよう(国試対策)」-2019年8月号

⑤「学んでみよう(国試対策)」-2019年8月号

今月は【解剖学】6問、【生理学】6問を出題させていただきます

8月分 【解剖学】6問、【生理学】6問(協力 ジャパン国試合格)

【解剖学】問題№1~6  ※正答率80%以上の問題

問題1 複関節でないのはどれか。
1. 肩関節
2. 肘関節
3. 橈骨手根関節
4. 手根中央関節

問題2 足関節内側側副靱帯はどれか。
1. 三角靭帯
2. 二分靭帯
3. 菱形靭帯
4. 円錐靭帯

問題3 僧帽弁はどれか。
1. 右動脈弁
2. 左動脈弁
3. 右房室弁
4. 左房室弁

問題4 外頚動脈の枝でないのはどれか。
1. 眼動脈
2. 舌動脈
3. 上甲状腺動脈
4. 浅側頭動脈

問題5 固有胃腺を構成する粘膜上皮はどれか。
1. 単層扁平上皮
2. 重層扁平上皮
3. 単層円柱上皮
4. 単層立方上皮

問題6 以下の写真に示す。実線は中心溝である。中心溝の後方にある点線領域の機能局在はどれか。
1. 運動野
2. 視覚野
3. 運動性言語野
4. 体性感覚野

【生理学】問題№7~12  ※正答率70%以上の問題

問題7 最大呼気位での気道を含む肺内の空気量はどれか。
1. 1回換気量
2. 残気量
3. 肺活量
4. 予備呼気量

問題8 腎臓尿細管で再吸収も分泌もされないのはどれか。
1. アミノ酸
2. イヌリン
3. カリウムイオン
4. パラアミノ馬尿酸

問題9 下垂体前葉ホルモンはどれか。
1. エリスロポエチン
2. オキシトシン
3. ゴナドトロピン
4. ドーパミン

問題10 ビタミンDの活性化を促進する因子はどれか。
1. ナトリウムイオン
2. カリウムイオン
3. 上皮小体ホルモン
4. カルシトニン

問題11 白筋と比べた時の赤筋の特徴で正しいのはどれか。
1. ミオグロビン含量が少ない。
2. グリコーゲン含有量が多い。
3. ミトコンドリアが多い。
4. 解糖系の能力が高い。

問題12 精子について正しいのはどれか。
1. 精細管で精子に分化した際に運動能を獲得する。
2. 精子の成熟にはアンドロジェンを必要としない。
3. 精子のエネルギー源は精囊からの果糖である。
4. 精原細胞が精子になるまでは約10日間かかる。


回答 解説 コメント

問題1 
【解答】 1 【解剖】p.26,42-46
複関節とは3個以上の骨によりつくられる関節である。肩関節は肩甲骨と上腕骨の2個の骨によりつくられる単関節である。
※正答率83%(受験生1,892名)

問題2 
【解答】 1 【解剖】p.57.58
1.距腿関節の内側を補強する靭帯であり、脛舟部、脛踵部、前脛距部、後脛距部の四部からなる。
2.足背にある靭帯であり、踵骨と立方骨および舟状骨を結ぶ。
3.4.菱形靭帯と円錐靭帯は烏口鎖骨靭帯をつくる。
※正答率89%(受験生1,892名)

問題3
【解答】 4 【解剖】p.129
左房室弁は前尖、後尖の二つからなるため、僧帽弁または二尖弁ともよばれる。
※正答率84%(受験生1,892名)

問題4 
【解答】 1 【解剖】p.135
眼動脈は内頚動脈の枝である。内頚動脈と外頚動脈の枝を区別する問題も良く出題されるので覚えておくこと。
※正答率83%(受験生1,892名)

問題5 
【解答】 3 【解剖】p.9,166
肛門部の除いた胃腸(胃、小腸、大腸)の粘膜上皮は単層円柱上皮である。
※正答率80%(受験生1,892名)

問題6 
【解答】 4 【解剖】p.225中心溝の後方には中心後回がある。中心後回とその続きである半球内側面は体性感覚野である。

問題7 
【解答】 2 【生理】p.69-70
1.安静時の呼吸に際し、肺内に入る、または出る空気量である。
2.最大呼気位でも肺胞と気道に空気が残る。これを残気量という。
3.最大呼気位から最大限に吐き出しうる最大の空気量である。これは予備吸気量+1回換気量+予備呼気量となる。
4.安静呼息位を越えて更に吐き出しうる空気量である。
※正答率74%(受験生1,892名)

問題8 
【解答】 2 【生理】p.128
1.近位尿細管でほぼ100%再吸収される。グルコースに比べ、最大輸送量が極めて高いため、血中アミノ酸濃度が高くなっても尿中に排泄されることはまれである。
2.キク科の植物の根に含まれるこの物質は、血中に投与すると糸球体を自由に透過するが、再吸収も分泌もされない。そのため、イヌリン・クリアランスは糸球体濾過量の指標となる。
3.このイオンは、近位尿細管で大部分が再吸収されるが、遠位尿細管で再び分泌される。
4.この物質は濾過と分泌によって血中からほとんどが除去される。そのため、クリアランス値は極めて高く、腎血漿流量の指標となる。
※正答率70%(受験生1,892名)

問題9 
【解答】 3 【生理】p.146-147
1.腎臓から分泌されるホルモンで、血液幹細胞に働き赤血球の分化・増殖を生じさせる。
2.下垂体後葉ホルモンであり、産生は視床下部、分泌は下垂体後葉である。
3.性腺を刺激するホルモンをゴナドトロピンといい、下垂体前葉では卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモンである。
4.視床下部から分泌されるプロラクチン抑制因子のうちの一つである。
※正答率70%(受験生1,892名)

問題10 
【解答】 3 【生理】p.189-190
ビタミンDは食物からの摂取と、紫外線照射による皮膚での合成の2つによって得られている。どちらにしても、得られたビタミンDは生理活性が低いため、肝臓と腎臓で水酸化することによって活性化されている。
このビタミンDの活性化は血漿カルシウムイオンとリン酸の濃度によってフィードバック調節を受けており、カルシウムイオンとリン酸の濃度が高い時は活性化が抑制される。
3.上皮小体ホルモンは働きの一つとして、腎臓でのビタミンDの活性化促進があり、これによって間接的に腸管からのカルシウムイオンの吸収を促進している。
※正答率70%(受験生1,892名)

問題11 
【解答】 3 【生理】p.266骨格筋はⅠ型、ⅡB型、およびその中間の性質を持つⅡA型に分類される。Ⅰ型は収縮の速度が遅いので遅筋、色が暗赤色に見えるので赤筋ともいう。ⅡB型は収縮の速度が速いので速筋、色が薄いことから白筋ともいわれる。
3.Ⅰ型はミトコンドリアが多く、クエン酸回路と電子伝達系による好気性(有酸素系)ATP産生能力が高い。
1.そのため、好気性ATP産生に必要な酸素を蓄える能力が高く、ミオグロビンを多く含有する。ミオグロビンは赤い色素であるヘムを含む蛋白質であり、酸素親和性が高く酸素を結合する。Ⅰ型(赤筋)はこれが多いため赤く見える。
4.それに比し、酸素を使わないATP産生である解糖系の能力はやや低い。2.そのため、解糖系の基質(材料)となるグリコーゲンは少ない。
※正答率75%(受験生1,892名)

問題12 
【解答】 3 【生理】p.174-175
1.精細管で精細胞は精原細胞、第一次精母細胞、第二次精母細胞、精子細胞、精子の順で形成されるが、まだ運動能は持たない。その後、精子は運ばれた精巣上体で成熟し運動能を獲得する。
2.精細管での精子の形成には、卵胞刺激ホルモン(FSH)とアンドロジェンが必要であり、精巣上体での成熟にもアンドロジェンが必要である。
3.精子のエネルギー源はグルコース(ブドウ糖)ではなく、精囊から分泌されるフルクトース(果糖)である。
4.精原細胞が精子になるまでには約75日間かかる。
※正答率70%(受験生1,892名)

 

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