⑦「学んでみよう(国試対策)」-2019年10月号
今月は【2020年版 必修問題対策】として「柔道」、「倫理」、「関係法規」から計10問を出題させていただきます。
10月分 【必修問題】問題№1~10 (協力 ジャパン国試合格)
問題1 講道館柔道の創始年とされるのはどれか。
1. 万延元(1860)年
2. 明治15(1882)年
3. 明治45(1912)年
4. 昭和13(1938)年
問題2 柔道において立礼を行うとき、上体の前傾角度として適切なのはどれか。
1. 約15度
2. 約20度
3. 約30度
4. 約45度
問題3 患者の自己決定権で正しいのはどれか。
1. インフォームド・コンセントが前提である。
2. 理想的な治療を行うために、治療に関するマイナス要因は患者に提供しない。
3. 小児の治療では、保護者への説明を中心に行い、患児への説明は理解できないことが多いため不要である。
4. 治療方針の決定権は、医療のスペシャリストである医療提供者のみにある。
問題4 個人情報の保護に関する法律で正しいのはどれか。
1. 生存する個人及び死亡した故人に関する情報である。
2. 国の機関個人情報取扱事業者である。
3. 匿名加工情報とは、特定の個人を識別できるように加工した情報である。
4. 病歴は要配慮個人情報である。
問題5 正しいのはどれか。
1. 医療過誤の法的責任はほとんどが刑事責任である。
2. 病院の待合室で転倒して骨折した場合は、医療事故には該当しない。
3. 看護師が患者に用いた注射針を自らに刺してしまった場合は、医療過誤である。
4. 脱臼を整復する際に、末梢神経損傷を合併させた場合は、医療過誤に該当する。
問題6 柔道整復師法の目的で正しいのはどれか。
1. 柔道整復術の伝承
2. 柔道整復師の地位向上
3. 医療に関する適切な選択
4. 業務の適正な運用
問題7 柔道整復師免許で正しいのはどれか。
1. 相対的欠格事由に該当した場合は必ず免許取消となる。
2. 再免許となるには再度国家試験に合格しなければならない。
3. 免許を取り消された場合は10日以内に免許証を返納しなければならない。
4. 免許証の書換え交付申請はしなくてもよい。
問題8 柔道整復師名簿で正しいのはどれか。
1. 指定試験機関に備える。
2. 試験合格の年月日が登録されている。
3. 免許証を再交付した場合その理由が登録される。
4. 姓が変更した場合は10日以内に申請しなければならない。
問題9 柔道整復師国家試験で正しいのはどれか。
1. 指定試験機関は不正の行為があった場合、試験を無効にできる。
2. 試験に合格した者は厚生労働大臣に合格証書の交付を申請することができる。
3. 試験を行う期日及び場所は官報で公告される。
4. 不正行為をした受験者は30万以下の罰金に処せられる。
問題10 柔道整復師の業務で誤っているのはどれか。
1. 超音波観察装置で捻挫の診断をした。
2. 患者に求められて骨折の応急手当として患部を整復した。
3. 打撲の患部を触診した。
4. 徒手整復不能な脱臼を整復せずに固定した。
回答 解説 コメント
問題1
【解答】 2 【柔道】
嘉納治五郎が現在の台東区東上野の永昌寺において講道館を開いたのは、明治15(1882)年のことである。講道館はこの年を柔道の創始年としている。
万延元(1860)年は嘉納治五郎の生年、昭和13(1938)年は没年である。明治45(1912)年は日本人初参加となったストックホルムオリンピックが開催された年で、嘉納は団長を務めた。
出典:公益財団法人講道館ホームページ
問題2
【解答】 3 【柔道】
柔道の礼には座礼と立礼がある。通常の立礼は、お互いに、あるいはその方に正対して直立の姿勢をとり、次いで上体を前傾させる(約30度)。前傾のまま少し静止したのち、自然に上体を起こし、元の姿勢に返る。約4秒程度の速度で行う。
出典:『柔道大事典』p420
問題3
【解答】 1 【社倫】p.50-54
1.インフォームド・コンセントは、患者が医療行為を受けるか否かを自ら決定する「患者の自己決定権」の前提とされる。
2.インフォームド・コンセントにおいては、治療に関するプラス要因のみではなくマイナス要因も併せて十分に提供することが求められる。
3.インフォームド・アセントとは、医療従事者は、医療行為について、小児にが対象の場合は、小児に理解できるようにわかりやすく説明し、その内容について小児の納得を得ることであり、近年、この概念が取り入れられている。
4.医師中心の倫理観を「医師のパターナリズム」という。現在は、患者が自己の身体に関するコントロールを自己決定(自ら決めないことも含む) 「患者中心の医療」である。
問題4
【解答】 4 【法規】p.101-104
1.個人情報は、生存する個人の情報である。
2.個人情報取扱事業者は、個人情報データベース等を事業の用に供している者をいう。ただし、①国の機関、②地方公共団体、③独立行政法人等、④地方独立行政法人を除く。
3.匿名加工情報とは、特定の個人を識別できないように加工した情報で、当該個人情報を復元できないようにしたものをいう。
4.要配慮個人情報は、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪歴、犯罪によって被害を受けた事実やその他本人に対する差別、偏見その他の不利益が生じないように取扱に特に配慮を要するものとして政令で定める記述等が含まれる個人情報をいう。
問題5
【解答】 4 【法規】p.5
・医療事故:医療に関わる場所で、医療の全過程において発生するすべての人身事故で、以下の場合を含む。なお、医療従事者の過誤、過失の有無を問わない。
ア 死亡、生命の危険、病状の悪化等の身体的被害及び苦痛、不安等の精神的被害が生じた場合
イ 患者が廊下で転倒し、負傷した事例のように、医療行為とは直接関係しない場合
ウ 患者についてだけでなく、注射針の誤刺のように、医療従事者に被害が生じた場合
・医療過誤:医療事故の一類型であって、医療従事者が、医療の遂行において、医療的準則に違反して患者に被害を発生させた行為。
1.医療過誤の法的責任は、刑事責任と民事責任があるが、医療従事者が故意に事故を起こすことはまれであるため、刑事事件になることは少ない。
2.医療事故に該当する。
3.患者に被害が及んでいないため、医療事故に該当する。
問題6
【解答】 4 【法規】p.10
柔道整復師法第一条は、「この法律は、柔道整復師の資格を定めるとともに、その業務が適正に運用されるように規律することを目的とする。」であり、4が正解である。
問題7
【解答】 4 【法規】p.11-13
1.相対的欠格事由は該当しても必ずしも取消になるとは限らない。該当する欠格事由の程度によって厚生労働大臣が判断する。
2.取消となった事項に該当しなくなり、厚生労働大臣が再び免許を与えることが適当であると認めたときに再免許となる。国家試験に合格しても再免許は与えられない。
3.免許取消による免許証の返納は5日以内である。
4.名簿の訂正は必ず申請しなければならないが、免許証の書換え申請は任意である。
問題8
【解答】 3 【法規】p.14-15
1.柔道整復師名簿は指定登録機関に備える。「柔道整復師法第八条の二第一項及び第十三条の三第一項に規定する指定登録機関及び指定試験機関を指定する省令」により、指定試験機関及び指定登録機関は公益財団法人柔道整復研修試験財団である。
2.試験合格に年月が登録される。日は登録されない。
3.免許証を再交付した場合は、再交付した旨及びその理由、年月日が登録される。
4.氏名が変更となった場合は、30日以内に訂正申請しなければならない。
問題9
【解答】 3 【法規】p.20-23
1.指定試験機関は受験を停止させることはできるが無効にはできない。無効にできるのは厚生労働大臣である。
2.合格証書は試験に合格した者に交付されるため、申請の必要はない。合格証明書は試験に合格した者が申請により交付される。
4.試験の不正行為を行った者は受験停止、試験の無効となることがある。また期間を定めて試験をうけることができないことがある。しかし、罰金等の規定はない。
問題10
【解答】 1 【法規】p.24-27
1.超音波観察装置は、検査自体に人体に対する危険性がなく、柔道整復師が施術に関わる判断の参考とする超音波検査については、柔道整復師が施術所において実施したとしても関係法令に反するものではないと解されている。しかし、柔道整復師は診断してはならない。
2.応急手当としての骨折の整復は業務範囲である。
3.触診は業務範囲である。
4.徒手整復不能な場合や神経・血管損傷が併発していると考えられる場合は、整復を行わず、患部の安静を目的に固定し、医療機関への搬送時の患者の負担の軽減を図る。
※「関係法規」は、教科書「関係法規2019年版」をもとに作成しています。
公益社団法人 日本柔道整復師会
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